不動産売却を検討する方の多くは不安を抱いていると言えます。大きな金額が動く、専門的な知識を持っていないといった理由から、失敗を恐れる方も多いでしょう。
実際、さまざまな要因で思った金額・期間で売却できなかったというケースもあります。未経験でも不動産売却で失敗しないためには、失敗事例や対策を理解することが重要です。
深い知識でなくても、事前に理解を深めることが大切になります。
この記事では、不動産売却の失敗事例や対策、事前に知っておくべき基礎知識、失敗しないためのポイントを解説します。不動産売却に対して漠然と不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
また、以下の記事では台東区でおすすめの不動産会社を紹介していますので、会社選びでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
不動産売却の失敗事例6選
まずは、不動産売却の失敗事例を見ていきましょう。失敗と言っても、具体的な内容を理解しなければ対策もできません。不動産売却の失敗事例として、以下の6つのケースが挙げられます。
- 依頼した不動産会社が頼りなかった
- 買い手を見つけるのに苦戦した
- 内覧の対応が悪くて購入を断られた
- 不動産売却にかかる費用を把握していなかった
- 売却後に買主との間でトラブルになった
- 焦って売却価格を下げてしまった
それぞれの事例について解説していきます。
依頼した不動産会社が頼りなかった
不動産売却において、依頼した不動産会社が頼りなかったために失敗するケースは少なくありません。
例えば売却価格の査定が適切でなかった場合、市場価値よりも低い価格で売却されるリスクがあります。また、売却活動が不十分で、物件の魅力を十分に伝えられないことも問題となるでしょう。
不動産売却に不慣れで、熱意のない担当者では期待通りの売却を実現するのは困難です。
信頼できる不動産会社を選ぶためには、口コミや評判を確認し、複数の会社に査定を依頼する必要があります。不動産会社選びは不動産売却の成功を左右するとも言えるほど重要であるため、この過程には力を入れるようにしましょう。
買い手を見つけるのに苦戦した
不動産の買い手は売却の成功を証明する要素であり、見つからないと失敗と言えるでしょう。
買い手が見つからない原因として、物件の立地や価格設定が市場のニーズと合致していないことが挙げられます。例えば立地が不便な場所にある物件や、周辺の相場よりも高い価格を設定している場合、購入希望者が現れにくくなります。
また、売却時期の選定も重要です。不動産市場は季節や経済状況により変動するため、需要が低い時期に売却を試みると、買い手が見つかりにくくなります。
買い手が見つからない事態を防ぐには、物件が分かる写真や詳細な情報を提供し、物件の魅力をアピールすることが重要です。不動産会社と協力しながら、買い手に魅力が伝わるように情報を提示することが求められます。
内覧の対応が悪くて購入を断られた
内覧時の対応が悪いと、買主は購入を断る可能性があります。
内覧は購入希望者にとって物件の第一印象を決定づける重要なイベントです。そこで売主が不在であったり、内覧希望時間に柔軟に対応しなかったりすると、購入希望者に悪い印象を与えることがあります。
また、物件の状態が整っていない、掃除が行き届いていないなどの問題も、購入意欲を低下させる要因です。
加えて、売主が質問に対して適切な回答を提供できなかった場合も、信頼性が損なわれます。これによって物件の魅力が伝わらず、購入希望者は他の物件を選択する可能性が高まります。
内覧の対応をスムーズにするためには、物件情報を細かく理解し、掃除や修繕によって綺麗な状態を保つことが重要です。内覧対応を丁寧に行い、物件の魅力を最大限に引き出すことが、不動産売却の成功につながります。
不動産売却にかかる費用を把握していなかった
不動産売却にかかる費用を把握していないと、売却活動中や売却完了後に失敗する可能性があるでしょう。
不動産を売却する際には、以下のような費用がかかります。
- 仲介手数料
- 登記費用
- ローンの繰り上げ返済手数料
- 引越し費用
- 譲渡所得税
これらの費用を見落とすと、売却過程において資金集めに奔走されるだけでなく、売却後に手元に残る資金が予想よりも少なくなり、次の住まいの購入や生活費に支障をきたす可能性があります。
そのため、事前にしっかりと費用を見積もり、資金計画を立てることが不動産売却の成功には不可欠です。不動産会社や税理士などの専門家に相談して、余裕のある資金計画を立てましょう。
売却後に買主との間でトラブルになった
不動産売却後に、買主とトラブルになるケースについても注意しなければいけません。
例えば、物件の状態に関する情報を十分に開示しなかった場合、売却後に隠れた欠陥が発見され、買主が修繕費用を請求することがあります。また、売却時に取り交わされた契約内容についての認識の違いから、支払い条件や引渡し日などで対立が生じるケースもあります。
このような買主とのトラブルを避けるためには、売却前に物件の詳細をしっかりと点検し、正確な情報を提供することが重要です。また、専門家のアドバイスを受けながら契約書を作成・確認し、不明点や曖昧な部分がないようにすることも欠かせません。こうした入念な準備によって、売主と買主の信頼関係を築けるでしょう。
焦って売却価格を下げてしまった
不動産売却において、焦って売却価格を下げることは大きな失敗です。市場に出してすぐに買い手が現れない場合、多くの売主は価格を下げることで早期売却を狙うでしょう。
しかし、これは必ずしも得策ではありません。本来得られるべき利益を逃してしまうことになる上に、「価格を下げるべき問題があったのではないか」と疑われる可能性が高まり、逆に売却が遅れることもあります。
売却価格の設定には、地域の市場動向や物件の価値を正確に反映することが重要です。担当者のアドバイスを参考にしながら適正価格で売り出すことで、計画的な売却を進められます。「焦りは禁物」を意識して売却を進めましょう。
不動産売却の基礎知識
不動産売却での失敗を防ぐには、売主も最低限の知識を身につける必要があります。不動産売却に向けて知っておくべき基礎知識は以下の4つです。
それぞれの基礎知識について解説していきます。
売却の流れ
不動産売却は、以下のような流れで進められます。
- 相場を自分で調べる
- 複数社で査定を依頼する
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 売却活動を行う
- 買主と売買契約を締結する
- 決済と引き渡しを完了させる
- 譲渡所得が発生したら確定申告を行う
これらの過程のほとんどでは不動産会社の担当者が代行してくれますが、売主からも積極的に意見を発信することが重要です。任せきりではなく、大まかな流れを理解し、何をするべきなのか把握しておきましょう。
売却方法
不動産の売却方法としては、仲介売却と買取が一般的です。基本的にはどちらかの方法で売却が進められるため、それぞれの方法について知っておくと良いでしょう。
仲介売却は、不動産会社を通じて一般の買い手に販売する方法です。時間はかかりますが、高値で売却できる可能性があります。
一方、買取は不動産会社が直接買い取る方法です。仲介売却に比べて迅速に現金化できるメリットがありますが、価格は市場価格よりも低くなりがちです。
それぞれの方法に特徴があるため、メリットやデメリットを理解し、自分の状況や目的に合った売却方法を選ぶことが大切です。依頼先の不動産会社の担当者とも相談し、最適な売却方法をえらびましょう。
不動産売却が完了するまでの期間
不動産売却には、半年から9ヶ月ほどの時間がかかるのが一般的です。そのため、半年から1年ほどの期間を想定して不動産売却計画を立てる必要があると言えます。
不動産売却は、以下のような流れで進められます。
- 売却価格の設定
- 物件情報の広告掲載
- 内覧対応
- 買主との交渉
- 契約締結
- 引き渡し
半年から9ヶ月の間には市場の状況や物件の特性、地域によっても変動するため、場合によっては想定以上に時間がかかる可能性もあるでしょう。売却を急ぐあまり手続きを省略したり、不適切な価格設定をしたりすると、売却の長期化・損失といったリスクが伴います。
売却期間については余裕を持ったスケジューリングを心掛けましょう。焦らないためにも、1年を想定して計画を立てておくと着実に売却を進められるでしょう。
不動産売却にかかる費用
不動産売却では、売主にも費用がかかります。費用の内訳は以下の通りです。
- 仲介手数料
- 登録免許税
- 印紙税
- 所得税・住民税
- 抵当権抹消費用
- 内覧に備えた修繕・清掃費用
不動産売却にかかる費用は、物件の売却価格の5~10%が目安とされています。500万円で戸建てを売却する場合、25~50万円が必要になるということです。つまり、これだけの費用を用意しなければいけません。
これらの費用は見落ちしがちで、売却完了後の新居購入に影響します。いくらかかるのかある程度把握した上で、想定外の費用がかかっても迅速に対応できるように余裕を持って準備しましょう。
不動産売却で失敗しないためのポイント
不動産売却で失敗しないためには、事前準備から入念に対策することが必要です。特にポイントとなるのは、以下の2点です。
それぞれのポイントについて見ていきましょう。
複数社を比較検討して選ぶ
不動産売却で成功するためには、複数の不動産会社を比較検討することが重要です。
1社だけに依頼すると、より良い売却価格を逃してしまいます。そのため、複数の会社から査定を受け、売却価格や提案内容を比較することで、最適なプランや金額で売却を進めることが可能です。
また、担当者との相性も重要です。不動産売却には半年以上かかることが想定されるため、担当者とのコミュニケーションが必要になります。担当者を信頼できていれば、スムーズな連絡や意見の反映が期待できると言えるでしょう。
複数社に物件の査定を依頼し、後悔しないように対策することが必要です。
予算やスケジュールに余裕を持つ
不動産売却で失敗を避けるためには、予算やスケジュールに余裕を持つことが重要です。
不動産売却の失敗事例では、予算やスケジュールの面で想定外の事態に対応できず、失敗してしまったというケースがありました。しかし、長期間の売却計画は上手くいく方が珍しく、ほとんどは途中で計画を変更しながら対応していくことが求められます。
ギリギリのスケジュールを立てると、万が一の事態に対応できずに失敗に終わってしまうでしょう。
そのため、市場の状況や物件の状態が変化することを前提として、予算やスケジュールに余裕を持つことで柔軟な対応ができるようになります。特に買い手の確保は予測が難しいため、期間を多く見積もっておくべきでしょう。
焦って売却価格を下げるようなことにならないように、余裕を持って資金計画やスケジュールを立てましょう。
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まとめ
不動産売却ではどれだけ入念な準備をしても、想定外の問題が起こり得ます。本記事で紹介したような失敗事例が起こる可能性はあるため、事前に備えておくこと、また対応できるように心構えておくことが重要です。
その中で、不動産会社の選定や売却スケジュールの計画など、自分でできることには取り組むようにしましょう。丁寧かつ慎重に準備を進めれば、不動産売却で失敗する確率を下げられるでしょう。