不動産を売却する際、固定資産税の扱いは多くの方が疑問に思うポイントです。固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税される仕組みとなっているため、年の途中で売買が行われると、その精算が必要になります。
売主は既に1年分の税金を納めているか、これから納める予定であるため、買主との間で売買契約時に適切な精算を行うことが一般的です。固定資産税の日割り計算方法や精算時の注意点を理解しておくことで、
不動産売却がスムーズに進みます。また、未納の固定資産税がある場合や、売却後の手続きについても知っておくべきことがあります。この記事では、不動産売却時の固定資産税について詳しく解説し、トラブルを避けるための対策を紹介します。
また、以下の記事では台東区でおすすめの不動産会社を紹介していますので、会社選びでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
固定資産税の基本と課税のタイミング
固定資産税は土地や建物などの固定資産に対して課される税金で、その評価額に基づいて計算されます。不動産の売買においては、この固定資産税の取り扱いを正しく理解することが重要です。
固定資産税とは
固定資産税は、土地・建物・償却資産(事業用の機械や備品など)といった固定資産に対して課税される地方税です。毎年1月1日時点の固定資産の所有者に対して課税され、その年の4月1日から翌年3月31日までの1年分として納税します。
固定資産税の税率は標準で1.4%と定められていますが、自治体によって若干異なる場合があります。台東区の場合も標準税率の1.4%が適用されています。
固定資産税額は以下の計算式で求められます。
固定資産税額 = 固定資産税評価額 × 税率(1.4%)
例えば、固定資産税評価額が2,000万円の不動産の場合、固定資産税は28万円(2,000万円 × 1.4%)となります。
固定資産税と一緒に課税されることが多い「都市計画税」も、固定資産税と同様の仕組みで課税されます。都市計画税の税率は上限0.3%と定められており、台東区では0.3%が適用されています。
固定資産税の納税義務者と課税タイミング
固定資産税の納税義務者は、原則として毎年1月1日(「賦課期日」と呼ばれます)時点の所有者です。登記簿上の所有者と実際の所有者が異なる場合、現実の所有者が納税義務者となります。
固定資産税の納付時期は自治体によって異なりますが、一般的には年4回(4月、7月、12月、2月)に分けて納付するケースが多いです。台東区の場合も、固定資産税・都市計画税は6月、9月、12月、2月の4回に分けて納付します。
年の途中で不動産を売却した場合でも、その年の固定資産税は1月1日時点の所有者が納税する義務があります。したがって、1月1日以降に売却した場合、売主が全額の納税義務を負いますが、所有していない期間の税額については買主と精算を行うことが一般的です。
例えば、7月1日に不動産を売却した場合、1月1日からの半年間は売主が所有し、7月1日からの半年間は買主が所有することになります。このとき、固定資産税は全額を売主が納税しますが、7月1日から12月31日までの半年分は買主が負担すべきものなので、売買契約時に精算します。
不動産売却時の固定資産税の精算方法
不動産売却時には固定資産税の精算が必要となります。この精算は売買契約書に明記され、一般的には日割り計算によって行われます。精算の方法を正しく理解し、トラブルを防ぎましょう。
売買契約書における固定資産税の精算条項
不動産の売買契約書には、固定資産税の精算に関する条項が必ず含まれています。標準的な契約書では、「固定資産税及び都市計画税は、売買代金決済時において、固定資産税課税証明書等による額を基準とし、年度で日割計算して精算する」といった文言が記載されています。
精算のタイミングは通常、決済時(所有権移転時)です。決済時に固定資産税の納税通知書や課税証明書を確認し、その金額をもとに日割り計算で精算します。
また、契約書には「未納の固定資産税等がある場合は、売主の責任において納付する」という条項も含まれることが一般的です。これは、売主に未納の税金がある場合、その責任は売主にあることを明示しています。
売買契約を結ぶ際には、この固定資産税の精算条項をしっかり確認し、不明点があれば不動産仲介業者や司法書士に質問することをおすすめします。
日割り計算の方法と実例
固定資産税の精算は、基本的に「日割り計算」によって行われます。1年を365日(閏年は366日)として、所有期間に応じた税額を計算します。
日割り計算の基本式は以下の通りです。
日割り精算額 = 年間税額 ÷ 365日 × 所有日数
例えば、年間の固定資産税が24万円の不動産を7月1日に売却した場合:
- 7月1日から12月31日までは184日間
- 買主が負担すべき金額は、24万円 ÷ 365日 × 184日 = 120,986円
この金額を売主から買主に支払うことで精算します。逆に、買主から売主への精算金として売買代金に上乗せすることもあります。
また、固定資産税は通常年4回に分けて納付するため、売買時点で既に納付済みの期間と未納の期間が混在することがあります。この場合、納付状況を確認しながら精算する必要があります。
例えば、4回の納付期限が6月、9月、12月、翌年2月で、9月の納付まで済んでいる状態で10月に売却した場合、12月と翌年2月の納付分については買主と精算することになります。
なお、実務上は「月割り計算」が用いられることもあります。月割り計算の場合、1年を12か月として、所有月数に応じた税額を計算します。日割り計算と比べて簡便ですが、若干の誤差が生じる可能性があります。
固定資産税の精算で注意すべきポイント
固定資産税の精算には注意すべきポイントがいくつかあります。特に未納の税金がある場合や過誤納金が発生した場合の対処法を理解しておくことが重要です。
未納の固定資産税がある場合の対処法
売主が固定資産税を未納のまま不動産を売却する場合、その取り扱いについては特に注意が必要です。未納の固定資産税は、原則として売主が責任を持って納付するべきものです。
売買契約書には通常、「未納の固定資産税等がある場合は、売主の責任において納付する」という条項が含まれています。しかし、実際には未納のまま所有権が移転されることもあります。
未納の固定資産税がある場合の対処法としては、以下の方法があります。
- 売買代金の決済時に、未納の固定資産税相当額を売主から徴収し、買主が代わりに納付する方法
- 売主に未納分の納付を確約してもらう納付書の写しなど納付証明を後日提出してもらう方法
- 売買代金から未納分を差し引いて支払い、買主が代わりに納付する方法
未納の固定資産税は、滞納すると延滞金が発生し、さらには差し押さえなどの滞納処分の対象となる可能性もあります。不動産の売買に関わる当事者として、未納の税金が残らないよう適切に対処することが重要です。
固定資産税の過誤納金の還付について
固定資産税の課税額に誤りがあった場合や、二重に納付してしまった場合など、過納または誤納があった場合には、その金額が還付されます。
過誤納金の還付手続きは以下の流れで行います。
- 過誤納金があることを確認
- 不動産が所在する自治体の税務課に連絡
- 還付請求の手続き
- 還付金の受け取り
不動産売却後に過誤納金が判明した場合、還付を受ける権利は納税者である売主にあります。ただし、売買契約で固定資産税の精算が行われている場合、その内容によっては買主に還付金の一部または全部が帰属することもあります。
このような事態を避けるため、売買契約書に「過誤納金が発生した場合の取り扱い」についても明記しておくことをおすすめします。
不動産売却後の固定資産税に関する手続き
不動産を売却した後には、所有権移転登記と共に固定資産税に関連する手続きも必要です。これらの手続きを適切に行うことで、翌年以降の固定資産税の課税に関するトラブルを防ぐことができます。
所有権移転登記と名義変更の手続き
不動産売買が成立すると、所有権移転登記を行います。この登記手続きは通常、買主が司法書士に依頼して行います。所有権移転登記は、不動産の所有者が変わったことを公示するための重要な手続きです。
所有権移転登記には以下の書類が必要です。
- 登記申請書
- 売買契約書
- 登録免許税の納付証明
- 権利証または登記識別情報
- 印鑑証明書(売主)
- 住民票(買主)など
所有権移転登記が完了すると、登記簿上の所有者が買主に変更されます。これによって、翌年以降の固定資産税の納税義務者も買主になります。
固定資産税の納税義務者は毎年1月1日時点の所有者であるため、1月1日以前に所有権移転登記が完了していることが重要です。
翌年以降の固定資産税の取り扱い
不動産を売却した翌年以降の固定資産税については、1月1日時点の所有者が納税義務者となります。したがって、前年の12月31日までに所有権移転登記が完了していれば、翌年の固定資産税は買主に課税されます。
ただし、自治体の事務処理の関係で、所有権移転登記が完了していても、しばらくの間は前所有者(売主)宛てに納税通知書が送付されることがあります。このような場合、売主は速やかに自治体の税務課に連絡し、納税通知書の送付先変更を依頼しましょう。
固定資産税の節税対策と売却のタイミング
不動産売却を検討する際、固定資産税の節税対策や売却のタイミングも重要な検討事項です。固定資産税評価額と売却価格の関係を理解し、税負担を考慮した売却時期の選択が大切です。
固定資産税評価額と売却価格の関係
固定資産税は固定資産税評価額に基づいて計算されます。この評価額は、一般的には市場価格(実勢価格)よりも低く設定されており、通常は市場価格の70%程度と言われています。
固定資産税評価額と売却価格(市場価格)は直接的な関係はありませんが、両者には一定の相関関係があります。不動産の価値が上昇すれば固定資産税評価額も上昇する傾向にあり、反対に価値が下落すれば評価額も下がる傾向にあります。
固定資産税評価額は3年ごとに見直される(評価替え)のが原則です。直近の評価替えは令和3年(2021年)に行われました。評価替えにより固定資産税評価額が上昇すると、固定資産税の負担も増加します。
売却時期の選び方と税負担への影響
不動産の売却時期は、固定資産税の負担という観点からも検討する価値があります。固定資産税の課税基準日(1月1日)を意識した売却時期の選定が、税負担の最適化につながる可能性があります。
ただし、税負担だけで売却時期を決めるのではなく、不動産市場の動向や個人の事情(ライフプランや資金需要など)も含めた総合的な判断が必要です。最適な売却時期については、不動産の専門家に相談することをおすすめします。
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以下の記事ではハウスドゥ 新御徒町春日通りの会社概要や評判、売却事例についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ
不動産売却時の固定資産税について詳しく解説してきました。重要なポイントをまとめます。
固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税される仕組みとなっており、年の途中で不動産を売却した場合には、買主と売主の間で精算が必要になります。この精算は通常、売買契約書に基づいて、所有期間に応じた日割り計算によって行われます。
不動産売却後には、所有権移転登記と共に、必要に応じて固定資産税に関する名義変更手続きも行います。これにより、翌年以降の固定資産税は適切に買主に課税されるようになります。
固定資産税の負担を考慮した売却時期の選定も、税負担の最適化につながる可能性があります。固定資産税の課税基準日(1月1日)や納付時期、評価替えのタイミングなどを意識した売却戦略が有効です。
この記事が不動産売却を検討している方の参考になれば幸いです。